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株式会社アナザーヒストリー Another History

コーチングブログ

全ては自分から ~その1~

受講生ストーリー③

「プロコーチ養成スクール受講生」がなぜコーチングを学ぶことになったのか、

どんな人生の変化を掴んでいったのか、お届けするシリーズです。

 

今回は、ワーキングマザーとしてのお悩みから

コーチングに出会った愛川ようこさんのストーリーです。

 

 

 

「全ては自分から」 ~その1~

 

「僕がいなくなってしまえばいいと思ってるんでしょ!?」

私は、五歳の長男から発せられた言葉に、

どう返していいかわかりませんでした。

泣きながら、心のうちを絞り出したかのような声は、

鼓膜を通り越して心に深々と突き刺さったんです。

 

私は、夫と長男、次男との4人家族で、

ワーキングマザーとしてフルタイムで働いていました。

家族にも恵まれ、仕事を続けることができ、

きっとはたから見たら順風満帆な人生だったのでしょう。

 

ですが、子どもが生まれてからというもの、

私の心は休まることなく、すり減っていくような日々だったんです。

長男の育児は、赤ちゃんの頃から本当に大変でした。

背中スイッチというと聞こえはいいですが、

本当に一日中抱っこをしていないと泣き叫び寝てくれない。

眠ってくれないことで自分が母親として

何か足りないのか自問自答したり、

現実問題として睡眠不足は体に負担を与えていきます。

 

少し大きくなってもそうです。

さっきまでニコニコしていたかと思うと、

箸を落として次の瞬間には食卓をめちゃめちゃにして

暴れだすなんてしょっちゅう!

 

落としたお箸を拾うために一瞬目を離した次の瞬間、

ひっくり返って大泣きしていることもありました!

一体何が気に入らなかったのかもわからず、ただただ疲弊していきました。

 

大きくなってくるとともにその癇癪は激しさを増して、

泣き叫びながら床に頭を打ち付けているのを見たときは、

私自身がどうにかなってしまいそうでした。

 

そんな長男を前にして、私の口からでるのはこんな言葉です。

「やめてって言ってるの! どうしていけないことをするの!?」

「ちゃんとして! 周りの子はそんなことしてないよ! じっとしていなさい!」

「泣いてたらわからないでしょ!? 泣き止んでちゃんと話して!!」

 

長男の泣き声と私の叫び声が木霊する二人だけの家の中は、

息苦しさばかりが増していきました。

私が正しい。私がお母さんなんだから、私の言うとおりにしていればいい。

そんな私の価値観をまるでルールブックのように押し付けていました。

 

そんな中、ある日長男から言われた言葉が冒頭のあの言葉です。

「母は、だめだめしか言わない! 全部僕がだめだっておもってるんでしょ!?

僕なんかいなくなってしまえばいいとおもってるんでしょ!?」

 

彼の濡れた瞳は私のことをじっと見つめていて。

その視線に、私は真正面から見つけ返すことができなくて。

そんなこと、私は一度も伝えたことなかったのに、

でもきっと――――そう思わせていたのは私なんだ。

そのことに気づいた瞬間でした。

 

そこからはもう、思考はマイナスに振り切れてしまいました。

息子のためと思ってやってきたことは、彼の自己肯定感を削り取っていただけで。

 

今は子供だから言うことを聞いてくれる。

けど、息子が中学生に、高校生に、そして大人になったとき、

自分自身のことを、私のことをどう思うんだろうか。

きっと、ものすごく自信がなくなって幸せに生きていけないかもしれない。

そして、その原因となった私のことを恨むかもしれない、憎むかもしれない、

そんな恐怖が大きな波となって襲ってきました。

 

恐怖に揉まれるなか、そこから抜け出すためにどうしたらいいか、

そればかり考えていました。

 

母親失格。

こんなダメな自分、本当に大っ嫌い!

お母さんになんかなっちゃいけない私だったんだ。

消えてしまいたいくらい自分を責めていた私でしたが、

ようやくその時気がついたんです。

 

――変えなきゃいけないのは目の前のこの子ではなく、

私自身だったんだ。

まるで降ってきたようなその気づきを、

逃すまいと必死で縋りついた時から、

全てが変わり始めました。

 

 

「全ては自分から」 ~その2~はこちら

 

 

 

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