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株式会社アナザーヒストリー Another History

コーチングブログ

「いいお父さんでなくて良い」

 

2007年に参加していたNLPコーチングのクラスで

数十分の間、涙が止まらなくなったことがある。

 

その日はとても長いタイムラインを歩くワークがありました。

普通は長いと言っても、生まれてから死ぬまでの

100年とかだと思うんですけど、その時は何万年とかそういう長さでした。

※タイムラインはNLPの手法の一つ。

 

床に引かれた直線を人生の時間の流れに見立てて、

その上を移動しながら過去を思い出したり、未来をイメージしたりすることで、

人生への理解を深めるものです。

 

※タイムラインが長くなればなるほど、自分の人生を俯瞰的に捉えることができます。

逆に短いタイムラインだと、個々の具体的な出来事をイメージしやすい。

何万年分のタイムラインだと、人類史の中で自分の人生を考えたり、

人によっては輪廻転生し続ける魂の変遷を感じたりするわけです。

 

普段は死後の世界とか考えることのなかった僕でしたが、

なぜかその日は、自分の魂が輪廻しているような感覚になりました。

 

だから何万年にも渡って色んな時代を生きる「自分」を

イメージしながらタイムラインを歩いていました。

 

2007年当時、僕の人間関係はボロボロでした。

家族や彼女との関係。

職場では頑張っていましたが、まだまだ大変なこともありました。

NLPやコーチングを学んでいるのに、自分はまだ変われていない。

そんな気がして自分を責めてもいました。

 

そのことも影響したのかもしれません。

数万年のタイムラインの中で、

どの時代の僕も、自分のことを責め続けていました。

 

「俺はできてない」「なんてダメなんだ」。。。

何回生まれ変わっても、自分を責め続ける自分。

なんでこうなんだろう。。。情けなくて涙が溢れてきました。

 

やっぱり自分は変われないんだ。結局またダメなんだ。

そんな風に思えて仕方ありませんでした。

 

そんな時、先生から皆に「タイムライン全体を俯瞰してみましょう」と
声がかかりました。

 

僕も自分のタイムラインから離れて、数万年分を俯瞰してみました。

すると不思議なことにタイムライン上の、高さ1メートルくらいのところに
糸が張られたみたいに赤い線が見えたのです。

僕は直観しました。これは心臓の高さだ。

この赤い糸は何万年にも渡って動き続けてきた、色んな僕の心臓の軌跡なんだ。。。
(変な話ですいません。。。)

 

僕の心臓は真っ赤に輝いて、全身に血を送り続けているのに、ただ一生懸命に生きているのに。

僕の頭は僕を呪って、ダメな人生だと言い続けている。

 

そう思ったら、そのことがまた情けなくなり、ますます涙が止まりませんでした。
(結構ネガティブでしたね。。。)

 

そんな中、先生から皆に次の指示がありました。

「これからあなたのことを一番よく知っている人と対話してもらいます」

そして手鏡を渡されたのです。

 

僕はこんなタイミングで自分の顔なんか見たくなかった。

絶対に惨めな顔で泣いてるから。。。

そう思ったら涙が止まらず、泣き続けていたわけです。

 

ワークが終わりランチ休憩の時間になりました。

僕以外の皆は楽しくワークできたみたいで、ワイワイと外に出て行きました。

僕は気持ちの整理もつけられず、1人で部屋の片隅で膝を抱えて座っていました。

 

それから何分くらい経ったでしょうか。

先生が静かに近づいて来て、僕の横にそっと座りました。

 

なんだか、先生が隣に座ってくれただけで、

少しだけ呼吸が楽にできるような感覚がありました。

 

そして泣き続ける僕の横で、先生はつぶやくようにゆっくりと

「だいじゅ いいコーチじゃなくてもいいんですよ」

 

「いい上司じゃなくてもいい いい部下じゃなくてもいい」

「いい息子でなくてもいい、いい兄でなくても」

「いい彼氏じゃなくてもいい、いい友達じゃなくてもいい」

「泣いていてもいいんです。。。ただ、呼吸をしているだけでいいんです。

ただ。。。呼吸をしているだけで。。。
生きてるだけでいいんですよ。。。だいじゅ。。。生きてるだけでいいんです。。。」

 

涙がとめどなく流れ続けました。不思議なことに、とても温かい涙でした。

泣いててもいい。何ものじゃなくても。呼吸して、生きてるだけでいい。

先生が心からそう思っていることが伝わって来ました。

 

「生きてるだけでいい。。。やまない雨はないんです。。。あけない夜もないんです。。。
だから今はただ。。。ここにいて。。。呼吸をしていて。。。いつか。。。
うっすらと夜が明け始めます。。。そのとき。。。薄明かりの中で。。。
もう少し深く。。。呼吸ができることに気づき。。。
自分の。。。タイミングで。。。だいじゅは。。。顔をあげて。。。立ち上がります。。。

「そこには雨が上がった世界。。。全てが洗い流された。。。明るい世界が広がっています。。。あたらしい世界。。。そこでだいじゅは、新しい人生を始めます。。。少しずつ、自分のペースで。。。誰かのためでなく、だいじゅの人生を。。。だから。。。安心して。。。呼吸をしていて。。。」

 

僕の中で、パーっと視界がひらけていく感覚がありました。

そして僕の身体は落ち着きを取り戻し、気がついたら涙も止まっていました。

目を開いたら、そこには優しい笑顔で僕を見つめる先生。

お礼を伝えて、顔を洗いにトイレに行ったら、鏡の中の自分は、

見たことがないくらい穏やかな顔をしていました。

 


 

この日以来、自分を責めることがあっても、それ以上落ち込まなくなりました。

何者かになろうとして生きなくてもいい。誰かの期待に応えなくてもいい。

いまを「生きている自分」につながること。その呼吸を感じること。そして自分の「生きるエネルギー」に勇気づけられ、自分を勇気づけること。

 

誰かの期待に応えられていないと責めるのではなく、

生きたい人生を人と共に生きることを勇気づけるんだ。それが生きるということなんだ。

そう思えるようになったのです。

 

僕のコーチカウンセラー人生を支えているのは、自分自身が受けて来たたくさんのセッションです。
このエピソードもいわゆるセッションではありませんが、先生との間の大切な時間でした。

だから僕がやっているスクールでも、参加者の人たちに、人生を支えるような良い体験をしてもらいたいと思ってます。

 

29日10時からの「NLPと AHコーチング」講演会では、

NLPの理論や技法も話しますが、僕自身が受けたセッション、

行ったセッションのエピソードも交えて、

人が変わるために必要なことについて、一緒に考えたいと思ってます。

 

ぜひご参加ください(録画の配信もあります)。

お申込みはこちら

 

※写真は「いいお父さんでなくてもいい」ので気楽に息子殿sと遊んでおります

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